資本主義って何だろう「今生きる資本論」

新潮文庫から今年の2月に出た一冊。

これは資本主義社会とはいったい何なのかをカール・マルクスの資本論を題材に佐藤優が行った講義の記録をまとめた本。
作者特有のエネルギッシュでわかりやすい経験談や、ソビエト崩壊とソ連での資本主義が完成するまでを実地で観察してきた話がふんだんに盛り込まれています。
一見すると難解極まりない資本論を、どこまでもわかりやすい例を引っ張って、わからない人にも何とかして飲み込めるところまで著者曰く何度も「漆塗りのように」肝心かなめの部分を塗り重ねて理解させてくれようとしています。

資本主義とはどんな構造で出来上がってきたのかという構造の話が展開されておりますから、資本主義社会でビジネスに生きる人々にとって根源的で全員に共通する問題がいったい何なのかがこの本を通読することで見えてきます。

「本書で試みられているのはマネー、株価、賃金などについて、現象面にとらわれることなく根源的に考えることによって読者一人一人にとり役に立つ知識を提供すること(著者)」。

自分たちが向かっている社会がどうやって動いているのかを把握しないまま前へ進み続けようとするのはこれから先は無謀というもの。一読してわからなければ二度三度と読んでみるとさすがに慣れ、その慣れた目で世界を見渡すと視界は確実にすっきりしてきます。

世の中にいくらかの疑問を持ちながらビジネスをしている人には特におすすめの一冊。

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